vol.21 フライ・オンリーでピラルクを狙え!

2017年02月04日

2017年02月04日 15:00

2017年「海外釣り旅インタビュー」第一弾!

フライフィッシング・オンリーでピラルクを狙って釣るアマゾンの旅を中心に、丸山さん( 栃木県在住:以下、Mさん )にお話しを伺いました。

*丸山さんは、vol.2ゲストの折茂さんにご紹介いただきました。ありがとうございました。



                          * ピラルクを抱えて メシアナ島にて


インタビュアー 工藤( 以下、K )           2016年10月30日

K:

本日は日曜日なのに、お時間をつくっていただきありがとうございます。

早速なのですが、昨年9月に行かれたアマゾンの釣り旅についての話を聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。

私はアマゾンに行ったことがないのでイメージが湧かないところがあるんですね。例えば、アマゾンっていっても広いですよね。

そんな中でどう釣り場を見つけるんだろうかとか。みなさんが行くところって大体決まってくるものなんでしょうか。

Mさん:

そうでしょうね。

アクセスできて、かつガイドサービスがしっかりしていることが我々日本人が入って短期間で釣りを

成立させるには最小限の条件だと思いますね。

最近、怪魚ブームで話を聞くのは、バックパッカー的な感じで現地に長期滞在する方もいらっしゃいますが。

特に私たちのようなフライマンはインフラが整っていないと釣りにならないですよね。

そう考えると自ずとエリアは限られてくるでしょうね。

K:

そうなんですね。前回行かれたネグロ川とかよく聞きますが、今回の釣り場はどこだったのでしょう?

Mさん:

アマゾンには3年前にもピーコックバス狙いでネグロ川へ行ったんですが、今回はまったく別の場所で。

アマゾンの河口近くのメシアナ島という中洲なんです。ただ、中洲といってもとても広大で東京都の23区と同じくらいの大きさだそうです。



                        * セスナより見たメシアナ島


K:

へぇ~! アマゾン川の河口近くということは、川幅も広くて海なんだか、川なんだかわからないような景観なんじゃないですか?

Mさん:

本流の川幅は300kmとかで巨大ですが、釣りするところは島の中の三日月湖やそこから分岐した本当に小さなため池やクリークだったり。

牧場の中の用水路といった雰囲気で。

K:

へぇ~ なかなか想像しにくいですね。ネグロ川とは、釣れる魚の種類とか、釣り方とかも変わってくるのでしょうか。

Mさん:

環境が違うので変わってきますね。共通する種類もいれば、違う魚もいるというような。また、釣り場の環境も違いますね。

ネグロ川は、ジャングルの中をエンジンボートで川を移動しながら、広大なエリアを回って釣るというスタイル。

ここは広大な平原でちょっとブッシュがあったり。雨期には全体が湿地帯になってしまうのだろうなという場所で。

行った時期は乾期のど真ん中で、だいぶ水が引いていて。小さな川とか干上がっていたり。

そんな中で、三日月湖やクリークをカヌーや陸っぱりでゆったり釣るというスタイルでした。

ベレンという町から小型セスナで1時間半くらいのメシアナ島は、ある会社が所有している私有地で、

半分くらいが牧場になっていて牛とかを飼っている。

東京都23区の土地に住民が200~250人くらいいて、家畜の牛が5000頭、水牛が5000頭いるというような島なんですね。

K:

なるほど。

ネグロ川では、川に停泊しているマザーシップに滞在しての釣りだったと思いますが、今回はどんな宿泊場所だったのでしょう?



                         * タボッカ湖



                         * 宿泊したタボッカ小屋


Mさん:

こんな感じのロッジですね。島のメインの釣り場となっているタボッカ湖という湖がありまして。

もともとは川の後の三日月湖だったと思うんすね、細長い河川跡のようで。その湖畔にこのロッジというか小屋が建っていまして。

スタッフの方がご飯を作ってくれるし、発電機も付いていて。一日中ではないですが、

動いているときは電気も使えますし、かなり快適な環境で。

これがベットですけど、蚊帳もあって。アマンゾンの奥まで行ってバスタオル付きの生活ができるなんて思ってもみませんでした( 笑 )。

シャワーの水も雨水を溜めたもので透明でしたし。

ネグロ川のマザーシップのシャワーは川のブラックウォーターを汲み上げたもので茶色かったですから。



                         * タポッカ小屋の室内



                        * ハンモックで休息


K:

ははは~ 食事はどんな感じなのでしょう。おいしかったですか?

Mさん:

牛肉やオスカーやパクーといった川で獲れた魚ですね。これはピラルクのヒレで、何パターンかの料理が出てきましたね。

とてもおいしいですよ。



                        * ピラルクのフィレスレーキ


K:

へぇ~ いいですね。

Mさん:

ピラルクは高級食材で現地では食用で人気があるので、獲られちゃって数が減っているそうです。

希少種になっていて、ワシントン条約の対象にもなっているようですね。

K:

それでも食べちゃう( 笑 )。

Mさん:

ここは私有地で漁師さんを排除して保護しているので、生息数も多いんですね。なので、今回はその一部を宿泊する釣り人用に

提供していただいたということで。これ、みんなに食べられちゃうだろうなっていう理由がわかるほどおいしかったです( 笑 )。

K:

釣りのほうに話を戻したいと思いますが、メシアナ島ではどんな魚が釣れるのでしょうか。

Mさん:

流れのない沼が中心でほぼ全域は止水なので、そこら中にアロワナとかプレコとか。

あまり流れが好きじゃなさそうな魚がうじゃうじゃいるという感じでしたね。



                         * 水面が沸騰しているかのようなプレコの群れ


K:

釣り場の移動手段はカヌーと伺いましたが、手漕ぎなんですか?

Mさん:

カヌーについてですが、一つのカヌーに現地ガイド1人と釣り人2人が乗って。二艇のカヌーを出してもらうというかたちでした。

釣りの最中はガイドさんがオールを漕いで操船してくれました。

カヌーには移動用に一応エンジンがあるのですが、草刈り機エンジンと呼ばれるもので、パタパタと音がして。

アマゾンではポピュラーみたいです。

K:

ぱっと見ると、エンジンが水草とかに絡まりそうな環境ですよね。

Mさん:

そうですね。

草刈り機エンジンでは、シャフトの先にとても小さなスクリュー付いているんですね。水深が浅い上に倒木や草とか

がいっぱい沈んでいて。

普通のエンジンだと浅すぎて回せないんですよね。で、こういう小さなエンジンだと水草もかき分けながら水路を入っていけるんですね。



                        * 草刈り機エンジンとカヌー


K:

面白いですね。その土地ならではの知恵があって。また、パタパタと音をたてながら、ゆったりと移動していく釣りは

何かアナログな感じでよさそうですよね。

Mさん:

そうなんですが、二艇のうちの1つは水漏れがして。釣っているうちに水がくるぶしくらいまで来ちゃう。

それをかき出す用の桶もいっしょに積んでありましたけど( 笑 )。そんなんで、いつもサンダルで釣りしていました。




K:

ははは~ かき出しかき出し、釣りするみたいな。ところで、釣りはいつもカヌーに乗ったままキャスティングするのでしょうか。

Mさん:

草が刈られているようなところで、上陸できるところは陸に上がってキャスティングという釣り方もしましたね。

K:

岸から立ち込んでの釣りっていうのも味わい深いですよね。

Mさん:

はい。ただ、サンダルなので足をボコボコにダニに刺されました( 笑 )。

K:

ははは~

Mさん:

で、実際にピラルクを釣った場所はこんな感じで、こんな狭まった小川なんですね。

そんな小川なのですが、この写真でかかっているピラルクは1m20cmくらいある!



                         * メシアナ島のクリーク





K:

へぇ~! 面白いですね~ 写真だけ見ていると、ここアマゾン?って感じですよね。

Mさん:

雷魚とかナマズが好きで国内でも遠征するのですが、九州とかのフライで雷魚を釣る場所がまさにこんな感じなんですよ。

細いクリークで雷魚がいるのを見つけて、フライで狙って釣るというサイトフィッシングなんですね。

それが大好きで、メシアナ島がこういう釣り場があると知って訪ねたわけです。

自分の求めているクリークでのフライの釣りの究極形がここにあると思って。

K:

これは、きれいなピラルクですね!!

Mさん:

すごい、きれいですよね~

もう、これをフライでおかっぱりで見つけて釣れるなんていうのはここだけだろうな~って。

この魚がこの狭いクリークで高々とテールウォークして宙を舞うんですよね。

K:

いいですね~ 丸山さんにとっては、一つの夢が叶えられた瞬間なのでしょうね!

ピラルクが宙を舞うっていうのが私には想像ができないですね。

Mさん:

最初のその光景は信じられなかったですね。手前にウィードのかたまりがあるポイントで、魚の呼吸を見つけて。

ウィード越しに魚の進行方向へフライを投げて。ラインがそのウィードの上に乗っているときに食わせたんですね。

それでフッキングした直後から物凄いスピードのファーストラン。そうするとラインがウィードに絡んでしまって、

さらにラインがどんどん自分の正面のウィードの中に持っていかれて。それなのに最初のジャンプは遥か右の方で、ドーンっと。。。

完全にラインが水中でL字になっているわけです。

K:

それって、結構、焦りますよね?



                         * ピラルクの顔をUPで


Mさん:

自分の竿はこっちに刺さっているのに、魚は向こうにいる!しかも、フライで釣れるのはせいぜい70~80cmくらいだろうと思っていたのが

そこで跳ねているやつは、1m20cmもある!あれが今、自分が掛けている魚かと。

で、飛び込んでウィードのかたまりを引きちぎって、もう一度陸に這い上がって追いかけて。

K:

ははは~ マジっすか! 面白い!!

Mさん:

これ、投げる前までにも自分は走っているんですね。水草の際で魚が呼吸したのを見つけて。魚はすぐ潜ってっちゃうんですけど。

進行方向にフライを投げて泳がせないと気付いてもらえないので。

この辺通るだろうというところまで、はぁはぁ言いながら走っていって、でフライ投げて。もうここで息が切れている( 笑 )。

K:

聞いているだけで、こちらもゼーゼーしそうです( 笑 )。

Mさん:

なので、釣り上げたときは興奮なのか、肉体的な疲労なのか!? みたいな。

はぁはぁはぁ。。。 この後はしばらく木陰で休まないとダメな感じでした。



                         * ピラルクの美しい鱗


K:

いや~ お疲れ様でした!! ピラルク以外はどうでしょうか?

Mさん:

アロワナとかも結構釣れてくれて。これMAXサイズの魚です。サイトで見えるんですね。



                         *今回MAXサイズのアロワナ


K:

へぇ~ いいですね~ このアロワナのジャンプシーンも!



                       *アロワナのジャンプ・シーン



                         * 泳ぐアロワナ


Mさん:

30~50cmクラスのアロワナは20本以上釣れたんじゃないですかね。

ルアーの方は、60~80cmを同じくらいの同数以上釣っていたかもしれませんね。このアロワナがシャイというか。

小さな虫みたいなポッパーを使っていたのですが、水面近くを泳いでくるのを見つけて、その目の前に落とすんですね。

落ちどころによっては、一発でバ~ンっと食べるんですが、ほとんどは落ちたのを見つけて寄ってきて、フライの下を2~3回とか5回くらい

旋回して、ようやくパクって食うみたいな。ルアーだと、大きなトップやミノーで動いているときにはバーンって派手に出るんですけど。

フライだとジーッと止めているときに、音もなく静かにゆっくりとスポって吸い込みますね。

K:

それは、好奇心と警戒心のはざまで悩みつつ??

Mさん:

どうなんでしょうね?檜原湖とか野尻湖とかでスモールバスを狙いにいくことがあるのですが

彼等も同じような動きをするんですよね。面白いですね。

K:

なるほど。それも面白い釣りですね。こちらは、何ていう魚でしょうか?

Mさん:

ホーリーとか、タライーラとか言われますね。



                         * タライーラ


K:

いいツラしてますね~

Mさん:

歯がすごいですよね。口は硬いですし。ロッジの目の前でフライも遠くに投げずに、リーダー分くらいをひょいっと投げて

沈めるとすぐ釣れます。

ただ、この鋭い歯なので、今回あんまり細い糸は持参していなくてフロロの1.7号を使ったんですけど。

このくらいのサイズでもスパスパ切られちゃいますね。

ピラルクのエサにいいらしく、エサ釣り用にガイドがロッジの前で網を投げると山ほど獲れているのを見て。

これだけいるならフライでも余裕で釣れるんじゃないかと思ってやってみたんですけど。

K:

また、ちょっとピラルクの話に戻っちゃいますけど。

ピラルクもアロワナみたいにエサを食べるときは、吸い込む感じなのでしょうか?

Mさん:

すごいバキュームですね。フライをゆっくりと目の前で鉢合うように誘ってあげているんですが、

当たったときは、ひっぱっている手がドーンっと全部持っていかれるような感じでしたね。

あの衝撃は他では経験したことがないです。すごい勢いで吸い込んでいるんでしょうね。

K:

へぇ~ 吸い込む感じの強烈なあたりとかは、私は経験ないので興味深いですね。

Mさん:

今回使ったフライロッドのメインは12番で。普通はソルトでシイラとか狙うヘビーなものなのですが、

それでもファーストランは止められないですからね。

K:

この写真、いいですね。こうして見ると独特のカタチをしていますが、カッコイイですよね。



                         * フライロッドとピラルク


Mさん:

はい。 かっこいいですね~

で、ここの口から鰓への顔のテーパーがたぶん最高なんだろうなと思います。

口は平たく横広で縦には意外と狭いんですけど、その口に対して鰓が大きい。

そしてエサが目の前に来た時に、パッと口を開くと同時に鰓も大きく開いて、大きなエラから大量の水を吐き出す。

結果として平たい口に大きな吸引力が生まれるんだと思うんです。だからこのピラルクの顔のカッコ良さはまさに機能美なんだろうと。

K:

なるほど~ 何か、ダイソンの掃除機の説明を聞いているみたいな感じですね( 笑 )。

Mさん:

ははは~ まさにそうですね。バラマンディやマーレーコッドなんかもそうですよね。口が平たいけど、エラは広くて大きい。

また共通するのは、動きがそんなに素早い魚ではない、待ち伏せ系で。ちょっと動きはどんくさそうな。

でも、目の前で自分の射程の範囲に入ったやつは、ズバ~ンっと吸い込む。そういう進化を遂げてきた魚なのでしょうね。

K:

" 待ち伏せ系 "っていう魚のグループがあるわけですよね。 面白いな~

Mさん:

完全な待ち伏せとは違うのでしょうけど。ゆっくりと動いていて、鉢合わせした、出会いがしらのチャンスは逃さないっていう。

K:

" 出会い系 "?( 笑) がつがつしないで、ゆっくりナンパしているみたいな。

Mさん:

ははは~ そうですね。

かたや、ピーコックバスとかはガンガン追いかける" チェイス系 "ってところでしょうか。ソルトのGTとかも。



                       * こちらは、約3年前にネグロ川で釣った、14.5LBのツクナレアスー


K:

なるほど。それにしても、フライでピラルクを釣るという目標を達成できてよかったですよね!

Mさん:

はい!

あの赤いピラルクの尾が潜っていくときにチラって見える。それを見つけてドキっとして。狙って、乱れた心と乱れたフォームで

エイってフライを投げ入れて。あー、今のじゃ遅かったかな~って思った瞬間にド~ンと出て。最高でしたね。

K:

ところで、今回のアマゾンのピラルクの他にどんな釣りをされてきたのでしょうか。

その中で、ぜひ紹介しておきたい釣り体験とかこだわりなどありますか?先程の話で出てきたマーレーコッドとか。

Mさん:

そうですね。

マレーシアのトーマンやオーストラリアのマーレーコッドとか。たぶん日本人で、フライで釣ったという実績はほぼないと思うんですね。

K:

へぇ~ 貴重なんですね。

Mさん:

まず現地のガイドがフライで釣るということに対して知らないんですね。

例えば、オーストラリアのガイドだったら、トラウトならいい釣り場あるよっていう話はされるのですが、

怪魚系の魚をフライでとなると情報がない。ガイドもわかっていない。

そういう環境の中で、ガイドと二人三脚でフライで釣るならどうしよう、こうしようって試行錯誤していくのが面白いんですね。

国内でもフライでコイとかブラックバスとか。トラウト以外の魚ですね。ソウギョとかライギョとかも。

自分でトライ&エラーで開拓していくのが好きなんですね。誰もやったことがないっていうのをやってみたいという気持ちが強くて。

その延長線上に海外の魚たちもいたっていうのがあるんですね。また、情報が少ない中で魚の生態についても調べるという。

今回、ピラルクに挑戦するにあたっても" ピラルクの餌付け "動画とかをすごい見て。この捕食の仕方だったらとか。

K:

ははは~ 面白いですね~ 

Mさん:

動画を見ていると、ピラルクって動かないわけですよ。目の前にエサが落ちてきたらズバーンっていくんですが。

自分で追い回したりとかはしないとか。逆に同じ水槽にいるトーマンとかエサがひゅっと動いたら、すごいスピードで

間合いをつめてパッときれいに食べちゃう。この違いからすると、どういうアプローチを組んだらいいんだろうと想像して。

K:

そうやって戦略を組み立てていくわけですね。

Mさん:

はい。 一昨年はマレーシアのダム湖での、ベルさんというガイドにお世話になりました。

で、現地で実際に彼と実践しながら試していくんですね。トーマンというライギョ狙いで、まずこれの釣り方についてなのですが。

水深が20mくらいある湖で、突然水面に空気を吸いに上がってくる。でも、空気を吸うとすぐにまた潜っていってしまうんですね。

その空気を吸いに来たわずかな間に目の前にフライを通すとスイッチが入って食いにくる。



                         * マレーシアの トーマン



                         * マレーシアのアイルガンダー湖


K:

キャスティングのタイミングが難しそうですね?

Mさん:

ガイドがすぐ投げろっていうのですが、360度魚がどこに上がってくるかはわからない。モグラたたきみたいで( 笑 )。

100m先だったり、ボートの真横5mにボコって出たり。

ルアーだったらクイックに投げ入れられますけど、フライは投げるのに時間がかかるので追いつかないんですよ。

K:

ですよね~

Mさん:

ガイドに、「お前。3回以上ラインを振ってたら間に合わない。1回か、少なくとも2回以内で入れないともう勝負になんないよ」って言われて。

またルアーだったら、呼吸の後に潜っていく魚に対して、クランクベイトを急速潜行させて食わせるのが強いパターンらしいのですが、

国内で情報集めたときは、ルアーの人からヘビーなシンキングラインを持っていって速攻で沈めろって言われたんですね。

でも、ヘビーなシンキングラインは投げるのに時間がかかるんですよ。初日やってみて使い物にならない。

で、一番いいのは浮くラインを少し延ばしておいて、出てきた魚に対して1回だけラインを振って打ち返すっていう。

これが一番だとわかったんですね。2日目に、呼吸見つけてその方法で投げたんですね。

で、たまたま狙った魚の近くをベイトの群れが通っていて、一瞬その魚が反応して表層での滞在時間がたぶん数秒長かったんだと思います。

そこにタイミングよくフライが入って。ポッパーで出てくれました。ガイドも狙ってフライで釣ったゲストは初めてだと。

決して大きくない一匹でしたが、とても達成感がありましたね。

K:

わくわくしますね~ 試行錯誤の末に最適解となる釣り方にたどり着く。そして、その努力が運をも引き寄せている気がします。

Mさん:

マーレーコッドのときもガイドさんとフライでどれくらいの飛距離いけますかとか、カヌーでフライって振れますかとか。

日本人の方だったので、すごく話が通じてやりやすかったですけど。ポッパーで同じように。



                         * オーストラリアのマーレーコッド


K:

こういう柄の魚なんですね。いいですね~美しい!マーレーコッド。



                          * オーストラリアのマーレーコッド78cm


Mさん:

はい。これが最大魚で。ものすごい音で、ズボ~ン!って水面を割って出てくれました。

K:

マーレーコッドの釣り方のほうは、何かポイントってありましたか?

Mさん:

釣り自体はそんなに難しくはないです。

倒木の下とかにいるやつをできるだけにタイトに狙ってほうがいいんですけど。

コンディションによるのだと思いますが、私が行ったときは割と素直に水面に出てくれて。

ただ個体数が少なくて、かつ生息域が限られるんですね。日本で言えば、イトウみたいな感じでしょうか。



                       * ユーカリの原生林に囲まれたマーレーコッドの住む川


K:

希少なんですね~

Mさん:

そういう希少種を釣れる釣り場とガイドがいるという環境が中々ない。これも牧場の中のプライベイト・リバーなんです。

特にフライの場合は、環境に依存するので。パブリックの大きな湖にも釣れていってもらって、200馬力のバスボートを

地元のエキスパートの方に出してもらって、やったんですけど釣りにならなかったですね。

広大過ぎるし、魚探を見てディープの「ここにいるぞ!」って言われても、フライじゃどうにもできないとか。

K:

そうなんですか。難しいんですね、いくつもの条件をクリアしないといけなくて。

Mさん:

相手がルアーのエキスパートだとしても、フライのことはわかってくれないですし。ここいるからって言われても。

K:

そこ無理みたいな。

Mさん:

ルアーなら可能だけど、フライじゃ無理っていう環境がありますから。

ただ一方、逆にここルアーだとやりにくいんだよねっていう場所こそフライでは実はすごいいいポイントだったり。

ていうのをもどかしいながら、やりとりして釣れる状況にたどり着いていくというのがすごく面白いというか。

K:

一種の方程式を解くような感覚ですよね。

Mさん:

そうですね~

それと特に海外釣行に関して言えば、ガイドさんとの関係がすごく大事で釣果にも影響するし、一番面白いところだなって思いますね。

K:

ガイドとの関係をうまく作ったり、コミュニケーションをよくするために何か工夫されていることとか、ありますか?

Mさん:

行くときは、日本の魚の写真とかもたくさん持っていって。普段、日本でこういう釣りをやっているとか話したり。

マレーシアのガイドさんとかは、向こうに移入されたピーコックバスとかいたり。

トーマンとかの釣りとかをやっているので、バスとかライギョとか好きなんですね。日本のラージマウスバスを釣ってみたいとか、

日本のライギョに興味あるとか言うんですね。

K:

ほ~ そういう思いがマレーシアのガイドにあったりするのは面白いですね。

Mさん:

そういう方に日本のライギョの話をするととても興味を示しますし、こういうところはトーマンもいっしょだね、

あるいは違うねっていうように話が発展したりします。

K:

なるほど~ 私も同じように日本で釣った魚や他の海外で釣った写真なんかも持参しますが、

釣りが好きという共通なマインドがあるからコミュニケーションが一気に進んだり、深まったりしますよね。

ところで、丸山さんは今回、フライでピラルクを!っていう話をメインにお聞きしていますが、

その辺へのこだわりについてはどうでしょうか?

Mさん:

そうですね。

私の場合は、この一つの種類の魚をフライで釣るということを目標にして行くので、あまり旅の行程を楽しむとかないんですよね。

K:

ははは~ ストイックっすね~

Mさん:

外道でこういう魚も、あんな魚も釣りたいとか、できるだけたくさん釣りたいとか。ていうのもないんです。

K:

目的、目標がはっきりしているわけですね。

Mさん:

はい。フライロッドしか、持っていきませんし。

よく釣り仲間にも言われるのですが、ルアーとか、他の仕掛けとか持っていかないのって。持っていかないですね。

ていうのも、フライでだめだったらボウズで帰ってこようって覚悟で。

K:

ははは~ 一種の武士道精神みたいな( 笑 )。

Mさん:

トーマンなんかは、行ってガイドさんに会って開口一番「フライでは難しいけどいい?」って、つまり釣れないよって言われました。

でも、「大丈夫。そこはわかっているから」って。釣れなくてもいいから、やりたいと伝えて。

仮にルアーロッドをもし持っていった場合、半日やってアタリもない状態だったらガイドさんは必ず勧めると思うんですよ。

「こっちでやったら、ルアーだったら教えられるよ」って。

でも'フライでの一匹'に出会うためにやっているので、他の釣りは自分はいいかなって。フライでというシバリを揺らがさないというか。



                        * オーストラリアのクィーンフィッシュ



                       * オーストラリア マングローブのバラマンディ



                       * オーストラリア マンタと一緒に釣り


K:

すばらしい!!

怪魚系フライ道とでも言うべき、こだわりの釣り旅。

興味深い話の数々、今日はありがとうございました!

<編集後記>

フライフィッシングというスタイルで主にトラウト以外の魚を釣る。

しかも、目標とする魚の生態を徹底的に分析して、自分オリジナルの戦略を立ててチャレンジ

するという丸山さんの釣りへの熱い思い。

それは、素晴らしくもあり、ちょっとユーモラスでもあり。

毎回、釣り人一人ひとりに自分なりのこだわりがあるところが実に面白いですね!

では、また次回をお楽しみに!

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