vol.6 ブルックトラウト、カナダ・オンタリオの旅

2023年07月15日

2017年10月15日 17:40

" サケ科の野生魚をその原産地で釣ること " をテーマに海外釣り旅を重ねているが、今回の対象魚は北米大陸東部に

生息するイワナの仲間、ブルックトラウト。







2016年の年末より、トラウトアンドキングさん( 海外釣り旅専門の旅行会社:リンク参照 )に釣り場のリサーチをお願いして

候補地を選定。2017年9月、カナダのオンタリオ州を訪ねた。ブルックトラウトの和名はカワマスだが、その場所は湖。

成田からトロントへは約12時間のフライト。トロントからは国内線で1時間20分のスーセントマリーという地方都市へ移動、そこで1泊。

翌朝、迎えのロッジ・スタッフの車でスーセントマリー中心部のホテルからスペリオル湖・湖畔の舗装道路を約2時間半走り、

さらに未舗装のダートを山側に北上すること約3時間。最後は車も走行できない狭い悪路を4輪のバギーに約30分乗って到着した。



   * 3時間のピックアップトラックによるダートのドライブは少々疲れるが、その先に純粋無垢なブルックトラウトが待っている。



         * バギーで獣道のような悪路を走行の末、目指す湖の湖畔に到着。そこからさらにボートに乗ってロッジへ


森林に囲まれたクワガマレイク( Kwagama Lake )は、富士五湖でいうと西湖より小さく、精進湖よりやや大きいくらいの大きさだ。

( あくまで私の目測による印象なので正確ではないが )山の中に閉ざされた水辺には、サケ科の魚はブルックトラウトのみが生息。

ブルックトラウトを釣りたいアングラーにとっては、まさに楽園のようなところだった。



                          * ロッジの母屋


湖の中の小さな島に立つクワガマレイクロッジ。当然のごとく、ブルックトラウトを釣るためにきた釣り人しか滞在していない。

そして、周囲は原生林に囲まれ、まともな道路や大きな河川の流れ込みもないので、ロッジの滞在者以外は誰も入ってくることはない。



                          * 夕暮れ時の湖の風景



             * 船着き場に並ぶエンジンボート。釣り人には、滞在中釣りに使用するボートが割り当てられる


釣り人は、スタッフからエンジンボートの操船をレクチャーされ、自分たちで湖を釣り巡る。それがここの釣りのスタイル。

ガイドがいなくて、ポイントはどうやって見つけるのか?という疑問が湧くと思う( 私も戸惑った・・ )が、

これもスタッフから湖の図面を渡されてポイントのレクチャーを受ける。



                    * ボートの操船に慣れてくると、ゆったり一人寛ぎながらの釣りで快適だ


今回一人旅だったので不安もあったが、地図を見ながら一人でボートを操船して湖をあちこちとポイントを確かめながら

釣っていくのは、どこかゲーム感覚があってなかなか面白かった。



                        * 釣り上げたブルックトラウトはご覧のような美しさ


1日のスケジュールは、8時に朝食。後に午前の釣り。一度ロッジに帰って13時に昼食。そして、午後の釣り。夕食は18時半~19時。

これが基本だが、夕食後に釣りに行くのも可。ただし、20時半くらいに日が暮れる。



                  * ある晩のディナー。肉・ポテト・豆という典型的なアメリカン・スタイルが中心



    * 最終日の晩は、ブルックのフライ( これが唯一の魚だった )。私は全部リリースしてたので、他のお客さんからのおすそ分け


ガイドが同伴するわけではないので、釣りの時間は自らの判断で自由に決められる。

私は、おおよそ9:00~12:00と15:00~18:00をフィッシングタイムにしていた。

日によっては、ランチにビールを飲んだ後に昼寝してから釣りへ、なんてことも。



                      *ロッジ母屋から中庭を望む。客室棟が分散して建っている



                         * 上の写真は、私が宿泊したキャビン



                 * 客室のキャビンには、電気・水道はない。灯りは、マッチで灯をつけるガス灯だ


さて、釣りについて。

大きな河川の流れ込みはないと先述したが、多くの湧水や河川とまでは言えない小さな泉の流れ込みがあり、

その周辺が好ポイントとなっていた。下の写真ではやや見えづらいが、流れ込み周辺には日本で言うとヨシのようなイネ科であろう

草が群生しているエリアがある。そこから沖合10~20mの場所がブルックトラウトの魚影が濃いことが、釣り初日にすぐに分かった。



                         * 上の写真のような岸際が、絶好のポイント


岸側にボートをつけて、沖に向けてルアーをキャストする。あるいは、岸から30mほど離れたところにボートを留めて、岸際に投げる。

どちらの方法が有効かは、その時の魚のつき方次第のようだった。ヒットする場所は、岸から10数m前後のかけあがり近辺がもっとも

多かったように思う。また、時間帯ではやはり早朝と夕暮れ近くがヒット率は高かった。

活性が高い時は、水面下50cm~1mくらいの浅いところでも果敢にルアーに食いついてくる。

( ちなみに、ルアーはスプーン・5~7gがメイン。釣果は、3日間の釣りで約20尾 )




また、魚は30cm前後が平均で、40cmクラスはかなりの大物というサイズなのだが、中々の引きで大いに楽しめる。

中には魚体のバランスから見て、異様に尾鰭が大きな魚がいて何度もドラグを鳴らして突っ走ることも。



                  * 上の写真の魚。全体のバランスから見て、尾鰭が大きすぎると思いませんか !?


そして、何と言っても感動したのはブルックトラウトの美しさ。

初めて釣り上げた時は、" うわぁ~!きれい~! " と湖上でたった一人なのだが、思わず声を上げてしまったほど。



                * 全体に黄色っぽい魚体が多いが、上の写真のように緑色、あるいは青っぽい魚も。




日本からは丸2日間は辿り着くまでに時間を要するので、カナダ西側に比べるとかなり遠いが、

擦れていないネイティブのブルックトラウトをぜひ釣ってみたい方にはお勧めしたい魅力あふれる釣り場だ。

戻る